手術成功!
「飯沢さーん!起きてくださーい!飯沢さーん!手術終わりましたよー!」
無の底に沈んでいた意識が、ぼんやりと引き戻されました。
うっすらと目を開くと、オペ室の看護師さんが私の顔を覗き込み、名前を呼んでいました。
まだぼうっとしていてふわふわ状態の私は、一体ここがどこなのか、私は何をしているのか、全然わかりませんでした。
受け答えがろくにできず、「ふぁい」と返答していたと思います。
「手術は無事に終わりました。これから病室に戻りますね」と言われて、ああそっか手術したんだ……と思い出しました。
その瞬間、下腹部に鈍痛を感じました。ずーんという重たい感じです。
てっきり手術後は、のたうち回る程痛いものだととばかり思っていましたが、想像よりも痛くありませんでした。
確かに痛いことには痛いのですが、我慢できる痛み。重い生理痛といった感じです。
あれ……?おかしいな……?他の方の体験談やブログには、 痛くて苦しくて大変だったって書いてあったような……?
鎮痛剤のお陰、もしくは私が痛みに強いからかもしれませんが、腹痛という言葉で表現できてしまうような痛みでした。
なんか思ってたんと違う……?普通はもっと痛いんじゃないの?
出血が止まらない。
痛みは最小限でしたが、出血はかなり多めでした。
手術前に看護師さんにお渡した生理用品とサニタリーショーツが、術後の私に装着されていました。 42センチの夜用ナプキンです。
しかし生理2日目の時のように、大量の血が流れている感覚をしっかりと感じました。
夜用ナプキンがあっという間に染まってしまうくらいの血が、私の体から排出されているのを、察知。
病室に戻った私は看護師さんにお願いして、ショーツ型のナプキンに履き替えました。
履き替える……といっても、術後は身動きが全く取れないので、看護師さんが履かせてくださいました。
お見苦しいものを見せてしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
術後ハイで全く眠れない。
9時半に開始した手術は、1時間50分程で終了しました。11時頃に病室に戻り、看護師さんが処置等をしてくださった後、ようやく夫と対面。
コロナ禍での手術だったため、基本的に家族の面会は禁止だったのですが、病室が個室だったので、術後に夫と話すことができました。
手術を終えて帰還した私を見た瞬間の、夫の第一声がこちら。
「え……?なんか元気じゃない?本当に手術したの……?」
か弱い姿で戻ってくると想像していた夫は、私のテンションの高さに驚いたそうです。自分では普通だと思っていましたが、いつも以上に饒舌だったとか。
「元気じゃん!」と言われて「そんなことない!」と反論したくなりましたが、 確かに夫の言う通り、心身共に術後という感じではないことは自覚していました。
要は、元気でした。
ここで夫とはバイバイ。コロナ禍の入院だったので、退院するまでは夫には会えません。
なんとか無事に手術が終わりました!